ホメオパシーのこと｜音とホメオパシーのへや Kuu〜空

得意の語学を生かした仕事で翻訳していた本の中に「キナの皮の苦みが、マラリアを治す」という一文を見つけました。実際、当時、マラリアの特効薬としてキナ皮は使われていました。「苦いものは他にもあるのに、なぜキナ皮なのか」と疑問を持ち、キナ皮を自分でとってみました。すると、「キナ皮によってマラリアそっくりの症状になる」ということがわかりました。他の人たちにも協力してもらって確かめました。健康な人はマラリアのような症状を引き起こすのに、マラリアのような症状があって不調な人は治ったということもわかりました。

ハーネマンが、この不思議な現象に気づいてから、当時のヨーロッパで「薬」として使われていた他のさまざまな物質を使って、どんな症状が出てくるか、少量をとって自分を含めた多くの人で試しました。このことの積み重ねによってできた、体や心がどう変化したかを丁寧に書きとった「マテリア・メディカ」という本が現代まで残されています。

トリカブトや水銀、ヒ素などの猛毒も多く、これらの物質を「多くの人がより安全に」とハーネマンの試行錯誤により、希釈(薄めて)振盪(振る)（きしゃくしんとう、「ポーテンタイゼーション」ともいいます）して作ったのが、ホメオパシーのレメディです。だからマテリア・メディカは毒物学の本とも言えます。

“homeopathic remedy how to make”と入力して検索してみてください。どのような物質をレメディにするかで作り方は一様ではありませんが、動画で作り方の例を確認することができます。希釈率はポーテンシーで示されます。たとえば、よく使われる12X → 1/1,000,000,000,000（0が12個）200C → 1/1,000･･････････････････（0が400個！）と猛毒も原物質の分子が１モルもない銀河系に１滴ほどの状態に薄められています。だから赤ちゃんから妊婦さん、お年寄り、動物や植物まで、毒物の副作用を心配せずに使うことができます。

「症状はありがたい」、「症状＝病気ではない」ということ

ホメオパシーとは3

「体や心などに出ている症状と、それと同じような症状を引き起こす物質から作られたレメディを与えて、体・心・魂に異物、非自己がありますよと自己認識してもらう。自己認識したら異物、非自己を排泄しようとする自己治癒力が働く」というのがホメオパシーです。

病原菌や異物が、その症状を出している大元の原因ならば、体がその原因をしっかりと認識して免疫力を働かせる。熱を出して大量の汗をかく、便や尿で出すなどをして、排出の症状を促し、きちんと経過させる。悲しい、悔しい、怒っているなど感情を抑えて我慢しているならば、しっかりと認識して感情を上手に出し切ることが、体や心にとっての本当の解決です。

一般に言われる「熱を出す」「下痢をする」などの症状は、体が治そうとして出している排出作用で、それを病気とは捉えないのがホメオパシーです。

「原因となるもの」が解決の糸口となる

ホメオパシーとは4

インフルエンザ菌、水疱そう菌、黄色ブドウ球菌などの菌、あるいはミツバチ、スズメバチ、サソリ、ハブなどの昆虫や動物の毒素から作られたレメディがあります。「同じような～」というホメオパシー原理でいくと、菌や毒素をプルービングして出た症状と似ていれば、原因がまったく別でも、その症状をうまく経過させるために、これらのレメディを使います。

厳密には「同じような」というホメオパシーとは異なる「トートパシー」（同一療法）があります。「まさにそのもの」が原因の症状に対して、菌や昆虫・動物など、そのものの毒素から作られたレメディを使って、そのものの毒素が原因の症状を、予防やよりよい経過のため使うことは、とても有効です。

子どもが小さかったときに保育園にお迎えに行って、他のおかあさんとおしゃべりをしていたら、後ろで遊んでいた息子が急に泣き出しました。１歳くらいだったか、まだ自分で説明もできない年齢。目撃していたお迎えのおかあさんがいて「ハチに刺されたみたいよ。飛んでいくのが見えたから」と教えてくれました。おしゃべりを早々に切り上げ、あわてて帰り、ホメオパシーのキットからApis（エイピス）、「まさにそのもの」のミツバチのレメディ、砂糖玉１粒を子どもの口の中にポンと入れました。赤く腫れあがってきていましたが、急性症状はピタリとレメディが合うと治癒までの経過がとても早いのです。腫れも痛みもどんどん引いて、刺された針でしょうか、プチンと黒っぽい点があるだけになりました。

インフルエンザに罹れば、Influenzinum（インフルエンザイナム、Influ.）というインフルエンザ菌のレメディはとても有効です。高熱や関節痛になって食欲も落ちて何日も寝込んだりすると、Influ. だけでなく、症状に合わせて他のレメディも使います。うまく経過できれば、高熱を出して、たくさん汗をかき、何日か寝ていたことで、体に溜まった汚れや疲労が取れて、すっきりします。こんなとき、ホメオパスは「体に汚れや疲れが溜まっていたからインフルエンザになったんだね。罹ってよかったね」と言います。

Fukushima（フクシマ）は、福島第一原発から2kmのところの土から作られたレメディです。放射能や放射能の問題に合う他のレメディとコンビネーションになって、東日本大震災をきっかけに作られたレメディ・キットの中に入っています。私はこの震災後に、原発事故による影響は自分にも大いにあると思って、Fukushimaはじめ放射能に関係したレメディをとりましたが、震災前より体がシャンとした感触があります。長崎・広島の原爆投下以外にも大量の核実験や核施設の大事故があって、地球の大気圏内は放射性物質だらけで、知らぬ間に影響を受けているのでしょう。「原因となるものを希釈振盪してレメディを作ればよい」という原理がわかっていればこそできる助けです。

「同種」という引き寄せ

ホメオパシーとは5

ホメオパシーの原理がわかってくると、「人生は同種」という言葉も体験による実感をもって理解できるようになります。「引き寄せの法則」というのも同じことです。

体に老廃物があって体は排出したいから、高熱になって寝込むような症状が出る病原菌を引き寄せる。我慢している強い悲しみ、あるいは怒りがあって解決してほしいから、悲しみや怒りが湧くような別の出来事が、人生に起こってきます。

潜在意識の深くに入っている思いや、もうとっくに治っているだろうと思っていても、実は治り切れていない、解決されていない心や体のことがあります。日々の生活の中で表面化してきたことで、その症状に合わせてレメディをとりながら、「自分に引き寄せの原因がある」ので、自覚していない自分の中の原因はどこにあるだろう？と自問してみます。「何か起こった」ということは、もし原因が何か、すぐにわからなくても、必ず原因はすでに存在しています。その原因によって、「そのこと」が起こりました。単純な１つが原因ということが少ないくらい、この世界も人生も複雑ですが。

「原因となっているもののレメディが解決(治癒)の糸口となる」ということも、ホメオパシーの経験でわかっています。

原発の問題はじめ、高齢化や子どもの置かれた状況など、現在や未来を真剣に思うと、絶望的になることが山積みです。いま、これを読んでいる方も、個人的に解決できない何かがありますね。良くなるためのよりよい方法はないか？と探しているのではないでしょうか。ここからがたいせつです。わたしがホメオパシー的な考え方、ものの見方が頭の中の理論の理解ではなく、体や心の体験をとおした実感でわかってきた一番の恩恵－それは、どんなに大変なことでも、「起こったことがあれば、何かわからなくても、それが１つではなく、とても複雑であっても原因が存在します。そして、その原因の中に解決の糸口がすでに存在している」ということです。

『ホメオパシー的災害対策災害を乗り越える36レメディ』（由井寅子著、ホメオパシー出版）は、2011年の東日本大震災をきっかけにできたホメオパシー・キットのガイドブックです。その中からP44一部を引用します。～幸せに生きるための7つの人生哲学です。　

①乗り越えられないものは来ない

②原因と解決は自分の中にある

③今あるものに感謝し、今が幸せだと思う　　

④自分を愛し、許す　　

⑤信仰心　目に見えないものに助けられている

⑥こうして命あるのはすべてのおかげ

⑦皆で結束力を高めて助け合おう　　　

（ここまで引用です）

ホメオパシーに出会って、その恩恵を受け取る体験をすると、うわべだけで言っているのでなく、著者自身が自分やホメオパスとして多くのクライアントさん達を通して得た、心の底から出ているメッセージだということがわかります。

「自分に起こった問題は、原因も解決の糸口も、すでに自分の中にある」

ホメオパシーとは6

ホメオパシーの父、サミュエル・ハーネマンも他のホメオパスも神さまではありません。すべてわかっているわけでも、一気になんでも解決できるわけでもありません。
ホメオパスは、よりよい人生の同種を引き寄せる状況を作るために、その問題の原因や解決の糸口さがしをクライアントさんと一緒に行います。

ホメオパシーの世界事情は・・・

世界事情

ワールドワイドホメオパシー　日本を含めた世界15か国ホメオパシー事情は・・・

TouTube「CHhomチャンネル」より「ワールドワイドホメオパシー」（1分弱動画×19本）

〇イギリスでは、王室内で古くから利用されており、その中でも特にエリザベス女王が熱心な愛好者です。王立のホメオパシー病院があり、ホメオパシーでの治療や研究が行われています。NHS（国民健康サービス）指定のホメオパシー病院で国民はホメオパシー治療を無料で受けられます。ブリストル病院のリサーチでは、6年間で23,500人を超える患者のうち、70％が健康状態の改善を報告、50％が大幅な改善を報告しています。

〇フランスの街角では、よくウィンドーに“HOMEOPATHIE”と書いてある薬局でレメディを気軽に買うことができます。62％のお母さんが、この12か月以内にホメオパシーを使っていて、薬局の94.5％が妊婦にレメディを勧めています。世界最大のホメオパシー製薬会社があり、3,700名の従業員を抱えて世界50か国以上で事業を展開しています。多くの医療関係者がホメオパシーの効果を実感しており、約30％の医師が治療に取り入れ、処方であれば健康保険から30％の還付が受けられます。フランス人は冬になるとインフルエンザ予防のために薬局でレメディを買い求め、オスシロコチニューム（Oscil.）というレメディが冬季、薬局で販売される処方箋なしの薬のランキングでNo.1人気になる時期もあります。73％のフランス人はホメオパシーを信頼していて、サッカーワールドカップのフランス代表はホメオパシーケアを受けていました。

〇ドイツはホメオパシーを生んだ国。現代西洋医学とは別にさまざまな自然療法を扱うハイルプラクティカーと呼ばれる療術師がいます。2015年の調査では、国民60％がホメオパシーを利用。1993年の時点で1,933名だったホメオパシーの資格を持つ医師の数が2006年には6,073名に増え、医師の約10％がホメオパシーを専門に扱い、98％の薬局がホメオパシーレメディを販売しています。プロ・スポーツ選手の90％以上がホメオパシーを利用し、プロのサッカーリーグ、ブンデスリーガのために働く医師の92％がホメオパシーを使用しています。

〇イタリアでは、900万人の国民がホメオパシーを生活に取り入れています。約20,000人の医師が患者に使用を推奨し、ホメオパシー専門医もいます。3人に1人の小児科医が子どもにホメオパシーを使い、ローマ・カトリック教会の総本山ヴァチカン市国ではヨハネパウロⅡ世など多くの教皇たちが昔から擁護し、使用してきました。

〇スペインでは、国民の3分の１の約1,500万人がホメオパシーを定期的に使用しています。政府は、2009年の議会で法案を満場一致で採択して承認。約1万人の医師が患者にレメディを処方し、2万人以上の薬局がレメディを調剤しています。ホメオパシーユーザーの82％が満足し、より頻繁に使用する患者の場合、99％が満足。さらに87％が家族や友人にホメオパシーを薦めています。

〇スイスは自然療法大国と呼ばれています。国民の70％が補完医療を治療に用いていて、その中の50％がホメオパシーを利用しています。政府のホメオパシーに関する報告書では、臨床的に有効かつ安全であると結論付けられ、2009年の国民投票で国民健康保険に含めることを67％の人々が支持。2017年、政府はホメオパシーを含む補完医療を無期限に公的医療保険に組み込むと決定しました。

〇オランダでは、毎年約70万人がホメオパシーを受診。医師の45％がホメオパシーで定期的に治療を行い、人口の約80％が公民健康保険制度にホメオパシーなどの代替医療を組み込むよう望んでいます。民間保険会社の多くが代替医療を基本プランに組み込んでいます。

〇ベルギーでは、国民の45％約510万人がホメオパシー療法を頼っています。一般開業医の22％がホメオパシー療法を処方し、33％の薬剤師が推奨しています。ホメオパシーレメディは処方されたすべての薬の中で3分の1を占め、最大50％までの保険適用で払い戻しが受けられます。

〇ロシアには、1824年にドイツからホメオパシーが伝わり、15,000人の医師がホメオパシー治療を定期的に用いています。2016年度レメディ売り上げは前年比5,6％増の1憶2300万ドル、2017年度の世論調査では2936万人の国民がホメオパシーを使用していました。より専門的な訓練を受けたホメオパシー医師の71％が普通の医師の平均収入よりも高い職場に雇用されています。

〇インドでは、国民の48％の約6億2千8百万人が利用し、ホメオパシーを教える大学が学士過程195大学、修士課程43大学院もあります。ホメオパシー療法家の数は284,471人、インド政府AYUSH省は科学的に実証されたホメオパシーの有効性を示すエビデンス集を発行し、ホメオパシーに通じた医療ケアを促進するために512の地方病院、2739の地域保健センター、9112の一次医療施設を設置しています。インド建国の父、マハトマ・ガンジーは「ホメオパシーは患者を経済的かつ非暴力的に治療するための最新かつ洗練された方法である。どの治療方法よりも多くの症例を治癒し、疑いもなく、より安全でより経済的、そして最も完全な医学である」という言葉を残しています。

〇キューバでは、医学部の必須科目の中でホメオパシーが教えられ、医療システムの重要な核となっています。1999年に320人の医師、141人の歯科医、161人の薬剤師、220人の獣医の外科医を含む922人のホメオパスがいました。現在では約3000名以上のホメオパシー医師が活躍しています。毎年レプトスピラ症という感染症が流行し、その感染率は年間数千件に達し、ホメオパシーを取り入れ250マン人に予防のレメディを投与したところ、感染者は10人のみになりました。

〇アメリカでは、2007年の国民健康保険調査では、481万人の国民がホメオパシーを利用していると公表され、同年の別の調査ではホメオパシー・レメディの売上げは29億ドル、健康相談会を受診した費用は1憶7千万ドルに達すると発表。第16代大統領リンカーンは、ホメオパシー愛好者でホメオパシー薬局の常連でした。全米展開の大手オーガニックスーパーの多くでは必ずと言ってよいほどホメオパシー商品が陳列されています。

〇ブラジルでは、都心部に住む人々の約58％がホメオパシーを信頼し生活に取り入れています。推定1万5000人のホメオパスがいて6つのホメオパシー研究所があります。1988年、政府はホメオパシーを承認し、国民医療制度に含めることを決定。ホメオパシー専門医になりたい医師は、理論/450時間、実践/450時間、研究論文/300時間、計1200時間の学習を修了する義務があります。

〇アルゼンチンでは、約3000人の医師と約500人の薬剤師がホメオパシーを実践し、93％の国民がホメオパシーを認識し、40％が使用、16％が定期的に使用している。ホメオパシー療法は公衆衛生省に公式に承認され、薬局では一般的な薬と同じ管理下で自由にレメディを調剤・販売。さらに、ブエノスアイレスだけで400軒以上の薬局が“Homoeopatia”の看板を掲げ、うち30％が独自のラボをもつ。14のレメディ製造社があります。

〇日本では、1997年にイギリスで学んだ由井寅子（日本ホメオパシー医学協会名誉会長、CHhom学長）がホメオパシーを広め、わずか20年あまりで、約150万人が利用するまでになりました。日本ホメオパシー医学協会（JPHMA）のホメオパスは約700名、ホメオパシーセンター、提携クリニックが日本全国に約300か所あります。厚生労働省の統合医療に分類され、日本ホメオパシー医学協会（JPHMA）認定ホメオパスは職業保険に加入でき、職業ホメオパスになるための4年生学校カレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシー CHhomがあります。2000年以来、ホメオパシー医学の学術大会が毎年開かれています。

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